【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
気が付けば…私は蒸発していく巨人の身体の上に佇んでいた。
生臭い血の臭い。
足元に転がる巨人の胃袋。
父の身体は…
この壁外のどこかで無惨に吐き捨てられたのだと思うと、気が狂いそうだった。
「サラ…。」
ミケに肩を抱かれ、馬に乗るよう促された。
こんなにも取り乱した私を、ミケは初めて見ただろう。
私の身体を強く掴むミケの手が…
何とか私を現実へと引き戻してくれた。
止めどなく溢れる涙を拭い、私達は部隊を追い掛けた。
心は悲鳴を上げ、呼吸は乱れる。
しかし…
私は戻らなければならない。
私達を信じ、帰還しようと必死でシガンシナ区を目指す大切な“家族”である仲間達の元へ。