【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
うなじに傷を付けないよう、私は巨人の顔を幾度となく斬り付けていった。
刃が肉へと刺さる度、巨人は醜い悲鳴を上げる。
簡単に死なせはしない。
父が受けた以上の苦痛を、巨人にも味あわせてやりたかったのだ。
「ねぇ、痛いでしょ?
父さんはもっと痛かったはずだよ。」
顔を手で覆いながら苦しみもがく巨人の肩に乗り、私はそうつぶやく。
次はどこを切り落としてやろうか。
私の心に芽生えた復讐心は、ありとあらゆる方法で巨人を苦しめようとしていた。
「サラ!!」
ミケの声などもう届くはずがない。
私は巨人の耳を切り落とす。
血飛沫が上がり、真っ赤な鮮血が私の顔を染める。
それでもまだ足りない。
足りない。
父さんを…
父さんを…弟を…
私の大切な家族を返してよ。
私は巨人の腹を裂き、胃袋を引きずり出した。
しかし、その胃袋には既に父の身体は無い。
「父さん!!父さん!」
私は巨人の腹に何度も何度も…刃を突き立てていた。