【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
私達の後方、数百メートルの距離に巨人が2体…。
馬の最高速度で何とか逃げ切れる距離だった。
「急ぐぞ、サラ!!」
ミケがそう叫ぶ。
無駄な戦闘は避けたい。
今、優先すべき事は一刻も早く陣形に戻り、シガンシナ区へと帰還する事のみだ。
陣形中央では今頃、モーゼスが指揮を執ってくれているはずだ。
早く戻らなければ。
私はすぐさま馬に跨がり、迫り来る巨人の位置を確かめ、ミケとともにその場から走り去ろうとした。
しかし…
次の瞬間、私は2体の巨人目掛けて馬を走らせていた。
「やめろ、サラ!!
戻れ!!」
そう制止するミケの声がかすかに聞こえたが、そんな事はもうどうでも良いと思えた。
迫り来る2体の巨人。
それは…
昨日、父であるエルヴィン団長を食い殺したあの奇行種だったからだ。