【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
筵に包まれた弟の遺体に手を合わせ、私達は補給所を後にした。
生きて帰還し、必ず迎えに来る。
愛する弟に…もう二度と動かない弟に、そう約束をした。
わずかな人数で陣形を組み、シガンシナ区を目指す。
手綱を持つ手にはいつも以上に力が入った。
どこまでも続く灰色の空。
出来る事なら、このまま巨人と遭遇する事無く帰還したい。
皆、思いは一緒だった。
巨人の出現により何度か進行方向が変わったものの、大きな陣形の乱れも無く第1補給所へとたどり着く事が出来た事は奇跡だと思う。
「このまま何事も無く帰還出来れば…。」
そうつぶやく私に、ミケは「あぁ。」と短く応えてくれた。