【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
「全員で帰ります。」
酷くうなだれるモーゼスへ向け、私はそう言い放った。
驚いた表情を浮かべ、こちらを見る兵士達。
自分でも驚いた。
意外にも頭は冷静だった。
今ここに生きている兵士達を連れ、帰還する。
それが…残された私に唯一出来る事だろう。
「…サラ?」
そう優しく肩を抱くナナバの腕を振り解き、私は続ける。
「時間がありません。
直ちに陣形を立て直し、ここを発ちます。
まずは通常の長距離索敵陣形を展開しますが、もし昨日同様、奇行種が複数現れた場合…。
その場合は黒の信煙弾を発射して下さい。
私とミケが指揮班を離脱し、援護に向かいます。
そして陣形を閉じ、その場から最も近い補給所を目指して下さい。
その間の指揮は…
モーゼス分隊長。
あなが執って下さいますか?」
他の兵士達同様、モーゼスは驚いた表情を浮かべていた。