【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
「このまま壁外調査を続けるのは不可能だ!!」
「エルヴィン団長はもういないのよ!?
私達だけで一体何が出来るっていうの!?」
そう嘆き、叫ぶ兵士達の声。
私達は団長を失ったばかりか、補給所に運ぶための物資を積んだ荷馬車も失ってしまった。
すなわち、このまま壁外調査を続ける事は不可能だ。
直ちにここを出発し、シガンシナ区へと帰還する。
それが今の私達に出来る最善の選択だろう。
しかし、誰もそれを口にする事は無かった。
一度巨人に屈した者は、二度と巨人には立ち向かえない。
そして、その恐怖心は人から人へと連鎖していくのだから…。
「…無力ですまない。」
そうつぶやいたのは第1分隊長であるモーゼスだった。
「一体…何人帰れるんだろうな。」
幾度となく壁外で巨人と戦ってきたはずのモーゼスでさえも、この状況に心を保つ事が出来なくなっていた。