【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
その時だった。
ふと、ナナバの足元に視線が止まった。
古城跡を利用した、補給所の冷たい石畳の廊下。
その廊下の一部、ちょうどナナバの足元だけが黒ずんだ木で出来ていたのだ。
石畳の廊下に不自然に埋め込まれた、蓋のような物。
それは紛れもない、地下室への扉だった。
「…地下室?」
私達はすぐさま、その扉を開ける。
今まで気付く事のなかった地下室への扉。
調査兵団の補給所となってからは、使われる事のなかった地下室。
この扉も、久しく開けられる事はなかっただろう。
しかし、扉を開けた私達は愕然とした。
人一人がようやく通れるだろう地下室の入り口からは、ぼんやりとランプの明かりが漏れだしたのだ。
「トージ!!」
弟がいる。
そう確信した私は、明かりへと続く階段を一気に駆け降りた。