【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
ナナバとミケに連れられ、弟が寝かされていたはずの部屋へと向かう。
即席のベッドに敷かれたシーツは乱れ、赤く染まっていた。
衛生兵は青ざめた表情を浮かべ、
「目を離した隙にいなくなったんだ。
あの怪我で動けるなんて…。」
と、言った。
一体弟はどこへ行ってしまったのだろうか…。
衛生兵の言う通り、あの怪我ではそう遠くへ行く事は出来まい。
補給所の出入り口には見張りの兵士がいる。
補給所の中にいる事は確かだ。
どこかで倒れてしまっているのではないだろうか…。
私達は薄暗い補給所の中、弟の姿を探した。
父が自らの命と引き換えに守った弟の命。
そんな弟の命を、今度は私が守らねば…。
そう、私は父から弟の命を託されたのだ。