【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
父の夢を見た。
幼い弟を膝の上に座らせる父。
低く抑揚の無い声で絵本を読み聞かせる父の顔に表情は無い。
“調査兵団の命には優先順位がある。”
いつだったか…父はそう言っていた。
命の優先順位…。
父は自らの命を犠牲にし、弟の命を救った。
父が言うように、調査兵団の命に優先順位があるのだとすれば、優先されるべきは弟ではなく、団長である父であったに違いない。
それなのに…
父は弟の命を優先した。
それは…団長としての選択ではなく、父親としての選択。
私が自分の命をかけてでも弟を守りたいと思ったように、父も自らを犠牲にしても、弟を守りたかったのだろう…。