【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
「…トージ!!」
そう泣き叫ぶ私の背後から突然、弟を握り潰そうとしている巨人へ向け、立体機動装置のアンカーが放たれた。
それと同時に、背後から迫り来る奇行種が何者かの刃により、蒸発を始める。
私の頭上をひとりの兵士が舞う。
マントのフードを深く被り、弟を握り潰そうとしている巨人の腕目掛け、鋭い刃を振り下ろすひとりの兵士。
「………父さん?」
マントのフードから、わずかに父の横顔が見えた。
「サラ!!
早く立体機動装置を拾え!!
早くここを離れるぞ!!」
後ろを振り返ると、そこには青ざめた表情のミケが立っていた。
父とミケが、私の後を追ってくれていた。
必死で弟を探していた私は、後を追う2人の馬の足音にも気付かずにいたのだった。