【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
蒸発していく巨人の身体。
その向こうには、巨人の手の中で苦しみもがく弟の姿が見えた。
痛みと恐怖に耐え、涙を流しながら固く目を閉じる弟。
しかし、私の背後からはさらに3体もの奇行種が迫っていた。
早く弟を救出し、この地獄のような場所から逃がしてあげたい。
私は弟を握り潰そうとしている巨人目掛け、アンカーを発射した。
巨人を仕留める事は出来なくとも、片腕を斬り落とし、弟を逃がしてやる事は出来る。
そう、思ったのだ。
しかし…
その行動はあまりにも賭け事じみた、浅はかなものだった。
上昇し始めた私の身体は、背後から現れた巨人の手によって、いとも簡単に吹き飛ばされてしまった。
地面へと強く叩きつけられ、口の中には血の味が広がっていく。
「………トージ。」
何とか身体を起こす事は出来たが、私の立体機動装置は数m離れた所に転がっていた。