【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
「…トージを離せ!!」
何とか体勢を立て直し、巨人のうなじへと再び斬り込んだ私の身体が、急に後ろへと引っ張られた。
巨人のうなじへと打ち込まれていたアンカーは外れ、私は宙に投げ出される。
左脚に走る激痛。
ふと、私の左脚を掴む巨人の姿が視界に入る。
弟を助ける事に必死になっていた私は、他の奇行種達の動きを完全に見逃してしまっていたのだ。
「っくそ!!」
私は左脚を掴んでいる巨人の腕を斬り落とす。
醜く悲鳴を上げる巨人の身体にアンカーを打ち込み、何とか落下を免れた。
しかし、私の命を狙っているのはこの一体だけではない。
じわりじわりと近付いてくる奇行種の群れ。
弟を手の中で握り潰そうとしている巨人も含め、ここには5体の巨人がいる。
アンカーを打ち込む高い建物もない不利な状況…。
しかし、考えている時間などなかった。
腕を斬り落とされ、もがき続ける巨人の両目に向け、私は左右のアンカーを同時に打ち込んだ。
視界を失い、片腕をバタつかせる巨人の頭上高く上る。
そこから一気にうなじへと斬り込んだ。
一刻も早く弟を助けたい。
その一心で、私は剣を振るった。