【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
足跡を追うにつれ、巨人に食われたであろう兵士達の残骸が散らばっていた。
決して姿を消したわけではない。
彼等は一瞬にして“奇行種”に命を奪われたのだ。
生臭い血の臭いが鼻をつく。
走れば走るほど、兵士達の肉片が数を増した。
顔を確認する事も出来ない。
顔が残っている死体など、無いに等しかった。
…この中に、弟の身体があるのだろうか。
そんな事を考えては、心が悲鳴を上げて壊れていく。
生存は絶望的。
それでも私は弟の姿を求め、雨に消えてしまいそうな巨人の足跡を追い続けた。
その時だった。
霧の中に黒い影が見えた。
ユラユラと揺れ動く大きな身体。
あれがきっと、弟や兵士達を殺した正体なのだろう。
「殺してやる…。」
私は剣を抜き、鐙の上へと立ち上がった。