【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
翌朝、私達は第1補給所を出発し、次なる補給所を目指した。
空を覆っていた雲は流れ、眩しい朝日が地面へと降り注いでいた。
昨晩の雨に濡れた草木は光をまとう。
壁外にいる事を忘れさせるような…そんな美しい世界を、私達は馬に跨がり走り続けた。
常に弟の様子は気になっていた。
昨晩の補給所では、仲間の新兵達を励ます弟の姿があった。
訓練兵団に所属していた頃から、特に成績が優れていたわけではない弟。
それに加え、壁外での実戦は今回が初めてになる。
しかし、弟にはやはり不思議な魅力があったのだと思う。
輪を乱さず、混乱を収める事が出来る。
相手の表情や空気を読み取り、相手の望み通りに行動する事が出来る。
きっと、弟は討伐補佐に優れた腕の良い兵士になるだろう。
私はそう思っていた。