【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
第1補給所へとたどり着いた頃、空は先ほどよりも厚い灰色の雲に覆われていた。
まだ昼間だというのに、まるで夜が近付いているかのような薄闇。
右翼側の一部に被害が出たものの、大きく陣形が乱れる事も無く、壁外調査はあくまで順調に進んでいると思っていた。
「エルヴィン団長、出発の準備が整いました。
このまま、第2補給所を目指しますか?」
遠くの空を見つめる父へと、私はそう尋ねる。
予定であれば、日没までには第2補給所へとたどり着いていなければならない。
しかし、このまま先を急ぐのは危険だろう。
いつ雷雨が襲ってきてもおかしくない空。
壁外での脅威は巨人だけではないのだ。
「いや、今日のところはここまでだ。
今回の壁外調査には多くの新兵を起用している。
この悪天候の中、経験の無い新兵達を危険にさらすわけにはいかない。」
そんな父の判断に、私は大きくうなずき、敬礼をした。