【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
私は父と同じく、次列中央・指揮で全体の動きを把握しなければならなかった。
そのため、弟が配置されている次列五・伝達ははるか後ろだ。
例え、この陣形の中に弟がいようとも、いつもとやる事は変わらない。
最善を尽くすのみ。
ただ、それだけだ。
「これより、第22回壁外調査を開始する。」
父の抑揚の無い声とともに、シガンシナ区の外門がゆっくりと開く。
眼前に広がる荒野と灰色の空。
私にとっては、これが4度目の壁外調査だ。
恐怖心は不思議と無く、あるのは“被害を最小に抑え、最大の戦果をあげる”という使命感だけ。
父の考案した『長距離索敵陣形』をもってすれば、巨人から世界を取り戻す事も出来る。
この世界を、父が変えてくれる。
私はそう信じて疑わなかった。