【進撃の巨人】 never ending dream R18
第30章 永久に碧く~想い~
テーブルに顔を伏せ、ただ泣きじゃくる私の側で、ミケは黙って紅茶を飲み続けた。
外は冷たい風が吹き、食堂の窓をカタカタとならしている。
先ほどから降り出した雨も、明日の朝には雪へと変わるだろう。
そんな寒い冬の夜、ミケはただ私の側にいてくれた。
「…辛い恋をしたんだな。」
紅茶を飲み終えたミケはそうポツリとつぶやく。
「…どうして分かるの?」
声を詰まらせ、私はそう尋ねた。
兵団内の人間に、私とエリクの関係は知られていないはずだった。
ただひとり…モーゼスを除いては。
誰にも知られたくなかったエリクとの関係。
どうしてミケが知っているのだろうと、私は不思議に思い、そっと顔を上げた。
「ミケ…どして君には分かるの?」
「お前に…恋をしているからだ。」
少し照れながらも、真剣な眼差しで答えるミケに、思わず笑いが込み上げる。
「ありがとう、ミケ。
冗談でも嬉しいよ。」
“兵士”である私の恋が終わりをむかえた日、私の側には“兵士”であるミケがいてくれた。