【進撃の巨人】 never ending dream R18
第30章 永久に碧く~想い~
「あなたにも、恋人がいるじゃないですか?」
「何の話だ?」
「いえ…私がまだ“子供”だった頃、あなたは恋人に会いに行っていたじゃないですか。」
私が10歳の頃だ。
“明日は、恋人の誕生日なんだ。
きっと心配しているだろうから、元気な顔でも見せに行ってくるよ。”
そう言って出掛けるモーゼスの後ろ姿を見たあの日。
キリキリとした痛みに心臓が悲鳴をあげたあの日。
「あぁ…あれか。」と、モーゼスはきまりが悪そうに笑う。
自分には恋人がいながら、“本気になるな”と言うモーゼスが私には理解出来なかった。
“本気になるな”と言う言葉が本心ならば、モーゼスは恋人との関係を“遊び”とでも捉えているのだろうか。
「あなたは…“本気”じゃないんですか?」
“本気になるな”
初恋の相手であるモーゼスが放ったそんな一言を…どうしても聞き流す事が出来なかった。