【進撃の巨人】 never ending dream R18
第30章 永久に碧く~想い~
「お前、恋人が出来たんだろ?」
モーゼスはそう言いながら、私の腕をそっと離した。
兵団内の人間には絶対に知られたくなかったエリクとの関係。
私は戸惑い、何も言い返せぬままその場に立ち尽くす。
同じ調査兵団の兵士であると同時に、初恋の相手でもあるモーゼス。
そんなモーゼスに、自分が決して見せたくなかった“女”の部分を知られてしまった。
それはまるで、愛する恋人以外の男に裸を見られてしまったような…そんな屈辱的な気分だった。
「あまり本気になるなよ。」
モーゼスは私の肩をポンと叩く。
“本気になるな”
その言葉に、私はふと我に返る。
決して忘れていたわけではない。
私達は個を捨て、公に心臓を捧げた兵士。
いつ壁外で命を落とすかもわからない。
やがて、エリクに会えなくなる日もくるだろう。
永遠などないのだから。
それでも…
エリクに触れている間はいつも“永遠”を感じていられた。
“本気になるな”
そんな事はもう私には不可能だった。