【進撃の巨人】 never ending dream R18
第30章 永久に碧く~想い~
「ミケが探していた。」
「…そうですか。」
「最近、外出が多いが…一体外で何をしているんだ?」
「いえ、特に何も…。」
決して無断で外出をしていた訳ではない。
行き先こそ話しはしないが、毎度、団長である父の許しは得ている。
問い詰められる理由などないのだが、モーゼスの口調から察するに“ただの興味”といったところだろう。
からかうように笑うモーゼスから早く逃れたかった私は、「失礼します。」と、その場を離れようとした。
しかし、モーゼスは横切る私の腕を掴み、「待てよ。」と言った。
先ほどまでの、からかい笑う口調とは違い、低く真剣な声。
腕を掴む手の力は強く、私は思わず立ち止まってしまう。
うっすらと月明かりに照らされたモーゼスの表情は、今まで見た事のないような、愁いを帯びた大人の男の表情だった。