【進撃の巨人】 never ending dream R18
第29章 永久に碧く~運命の人~●
リヴァイの温かい両手がサラの頬を包み、そっと涙をぬぐい取った。
額と額を合わせ、見つめ合う。
まるで小さな子供にでも接するようなリヴァイの優しさに、サラの瞳からは再び涙がこぼれ落ちた。
今まで何が起きようとも、調査兵団団長として気丈に振る舞ってきたサラ。
しかし、右腕を失った事…そして訓練兵時代からの大切な仲間であったミケの死。
自分ひとりでは抱えきれない痛みと悲しみ。
リヴァイに触れられる事で、何とか“人間らしい心”を保っていられるような気がした。
サラはそっと瞳を閉じ、リヴァイの唇にキスをする。
暖かく柔らかな唇の感触。
少しだけ、残酷なこの世界から逃れられるような…そんな気さえした。
リヴァイの腕に抱き締められ、サラはベッドに横たわった。
いつもの強引なリヴァイからは想像出来ぬほど、甘く優しい口付けを何度も受ける。
唇を重ね合わせては見つめ合い、また唇を重ねる。
互いの心を確かめ合うようなその仕草は、まるで初めて身体を結ぶ恋人達のようだった。
唇を割り、互いの舌を絡め合わせる。
何度もしてきたはずのその行為。
それなのに…なぜか初めて経験する事かのような感覚が、サラの胸を襲う。
「っん…リ…ヴァイ…。」
いつもとは違う感覚に戸惑い、サラは、優しく拒むように唇を離す。
その瞬間、「…やめてほしいか?」と、リヴァイはどこか寂しげな表情を浮かべた。
強引で嫉妬深いリヴァイからは想像出来ぬほどの純粋な瞳。
その瞳に、サラの胸はきつく締め付けられるような苦しさを覚えた。
「…やめないで…。」
そう、ささやくサラの髪を優しく撫でながら、リヴァイは自身の舌先でサラの口内を愛撫し続けた。