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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第29章 永久に碧く~運命の人~●


突然開いた病室のドアに、サラはふと我に返る。

中の様子をうかがうように、ゆっくりと開いたドア。

そこに現れたのは、1週間ぶりに目にする愛しい恋人の姿だった。



「ノックくらいしたらどうだ?
…リヴァイ。」

「何だ、起きていたのか?」

ベッドの上で起き上がっているサラを見て、リヴァイは少し驚いた表情を浮かべたが、どこか安心したような顔にも見えた。

リヴァイはベッドの脇に置かれた椅子へと腰を下ろす。

腕を組み、ふぅとため息をつきながら深く腰掛けるリヴァイの目は、サラの右腕をじっと見つめていた。



「右腕は…残念だったな。」

「今まで私が巨人に何百人食わせたと思う?
腕一本じゃ到底足りないだろう。
いつか行く地獄で、そのツケを払えるといいんだが…。」

フフっと笑いながら話すサラに、リヴァイが笑顔を見せる事はない。

もともと笑う事がほとんどないのだから当然の事なのだが、リヴァイのまとっている空気は重苦しく、まるで逃れようのない現実を突きつけられているような…そんな気がした。



サラはそっとうつむき、黙り込む。

嬉しいはずの恋人との再会も、この残酷な世界の一部にしかすぎないのだ。



 

「…ミケの遺体の一部が見つかった。」

リヴァイがそう口を開いた。



1週間前、ウォール・ローゼに巨人が出現したあの日から行方不明とされていたミケ。

誰も最期の瞬間を目撃していない事から、どこかで生きているに違いないと信じて疑わなかった。

調査兵団の中ではリヴァイに次ぐ実力者であるミケが死ぬはずないと…サラは思っていたのだ。



何度も受けてきたはずの死亡報告。

慣れてしまっていたわけではないが“仕方のない事”と、心のどこかで折り合いをつけてきた。

それなのに…どうしてだろうか。



ミケの死を“仕方のない事”と片付ける事など、どうしても出来なかった。



「私が殺したんだ…。」

サラはそうつぶやいた。





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