【進撃の巨人】 never ending dream R18
第29章 永久に碧く~運命の人~●
翌日、調査兵団本部へと戻った私は、すぐさま父のいる団長室へ向かった。
エリクに手紙を渡した事。
そして…昨晩は父から教えられていたウォール・シーナ内の宿で過ごした事を報告する。
本当は朝までエリクとともに過ごしていたのに…。
父は「ご苦労だった。」と言うだけで、特に詳細を求める事はなかった。
しかし、父は全てを見透かしているような…そんな目をしていた。
団長室を後にすると、訓練中であるはずのミケが廊下にいた。
「最近…外泊が多いが、どこへ行っているんだ?」
そう尋ねるミケは、どこか不満げだった。
「君には関係ないよ。」と言う私の首筋へ、ミケは鼻を近付ける。
「誰の匂いだ?」
「…紅茶の匂いだよ。
紅茶が好きなんだ。」
私は急いでいるふりをし、その場を離れる。
エリクとの関係を誰にも知られたくなかった。
それは、兵士として生きる私のプライドだったのだと思う。
17歳の冬。
私の短い“秘密の恋”が始まった。