【進撃の巨人】 never ending dream R18
第29章 永久に碧く~運命の人~●
初めてのキスは、紅茶の香りがした。
甘く、苦く…胸を締め付ける香り。
エリクの手が優しく髪を撫でる。
個を捨て、公に心臓を捧げ、兵士として生きてきた私にとって、それは言葉では言い表せないほどの至福の一時だった。
時おり、唇を離して見つめ合う。
言葉を交わさずとも、お互い何を求めているのかが簡単に分かってしまった。
数回会っただけの相手に、こんなにも心を…身体を許してしまうのはおかしな事なのだろうか。
きっと、愛し合う男と女には言葉も時間もいらないのだろう。
いつの間にか…私達は惹かれ合い、恋に落ちてしまったのだから。
温かなエリクの腕に抱き締められ、私はベッドに寝そべる。
上から覆い被さるエリクのキスを何度も受けながら、私は甘い甘い夢のような一時を味わった。
兵士としてではなく、“女”として生きた、初めての夜だった。