【進撃の巨人】 never ending dream R18
第29章 永久に碧く~運命の人~●
「サラ…君は“綺麗”だ。
とても兵士には見えない。」
そう言うとエリクはゆっくりと手を伸ばし、私の頬に触れた。
大きな手に包まれた頬は、徐々に赤みを増していく。
“君は綺麗だ”
そんな事を言われたのは初めてだった。
兵士には見えないという言葉も、女性兵士を軽視しての発言などではなかったのだ。
動揺する私の顔を、エリクはただ見つめていた。
どこまでも澄んだエリクの瞳。
その瞳に見つめられると、普段の冷静な自分ではいられなくなってしまう気がした。
私はそっとうつむき、目をそらす。
このまま抱き締められたらいいのに…。
そんな事さえ…思ってしまった。
エリクは私の手から優しくティーカップを奪い、テーブルへと置いた。
カタンッという音が妙に大きく聞こえた。
エリクがこれから何をしようとしているのか、私には何となく理解出来た。
今まで経験は無かったが、自然と私はエリクの手を握っていた。
“キスがしたい”
エリクと同じ事を、私も望んでいたのだ。