【進撃の巨人】 never ending dream R18
第29章 永久に碧く~運命の人~●
翌朝、私はエリクのベッドで目を覚ました。
もちろん、隣に彼の姿はない。
エリクは薪ストーブの前に置かれたソファーで寝息を立てていた。
いつの間にか眠ってしまった私を、ベッドへ運んで寝かせてくれたのだろう。
彼の寝顔を見ていると、なぜか心が温かく、穏やかな気持ちが溢れる。
すやすやと眠るエリクの横顔。
肩からずり落ちた毛布をかけ直し、彼の頬に触れた。
その瞬間、指先がじんわり熱くなるのを感じた。
私はエリクを起こさぬよう、部屋を出た。
身体のだるさはわずかに残っていたが、そんな事よりも、私の心は今まで感じた事のない感情に戸惑っていた。
馬に跨がり、調査兵団本部までの道のりを行く。
まるで春を思わせるような暖かく穏やかな晴天。
それはまるで、私の心を映し出しているようだった。
「…エリク。」
また会いたいと、私は彼の名前をつぶやいた。