【進撃の巨人】 never ending dream R18
第29章 永久に碧く~運命の人~●
「いつから調査兵団にいるんだ?」
「入団したのは2年前ですが、5歳の頃から本部で生活してました。
母が他界して、父の元で暮らす事になったので。」
「そうか…。」
「あなたは、ここに1人で暮らしているんですか?」
「あぁ。
幼い頃に母は病気で死んだ。
父も3年前に…。
それからずっと1人だ。」
「いつも1人で食事をしているんですか?」
「あぁ。それが何か?」
「寂しくないのかな…と。」
「そうだな…。
俺にとってはこの生活が“普通”だ。
寂しいなんて思った事はない。」
兵士以外の男性と…一体何を話せば良いのだろうか。
ぎこちない会話をしながら、私達は食事を続ける。
しかし、男のまとっている空気はどこか優しく、案外居心地の良いものだった。
しかし、私はどうしても思い出せずにいる事があった。
それは、男の名前。
前回会った時に聞いたはずの男の名前を、私はどうしても思い出す事が出来ずにいたのだ。
それは…私にとって、彼は興味の対象ではなかったという事だ。