【進撃の巨人】 never ending dream R18
第29章 永久に碧く~運命の人~●
「少し休んでいかないか?」
男はそう言った。
しかし、一刻も早く調査兵団本部へ戻りたかった私は「急いでますので。」と、男に軽く会釈をし、馬の鐙へと足をかける。
本部に戻ったらすぐに眠ろう。
そう、思ったのだ。
しかし、次の瞬間、私は突然激しい目眩に襲われた。
手綱を持つ手には力が入らず、目の前が真っ白になっていく。
徐々に意識は遠のき、身体はゆっくり後ろへと倒れていった。
「…っ大丈夫か!?」
そう叫ぶ男の声。
硬い地面への衝撃を覚悟したが、私の背中にはなぜか柔らかく温かい感触が伝わってきた。
男の腕によって抱きかかえられたのだろうか。
男の服から漂ってきたのは、金属を熱した時の独特な匂いなどではなく、今まで感じた事のない芳しく上品な香りだった。