【進撃の巨人】 never ending dream R18
第29章 永久に碧く~運命の人~●
父は“硬質ブレード以外の刃に興味がある。”と言っていたわりには、男とわずかに言葉を交わしたのみで、すぐにナイルと工房の外へ出ていってしまった。
一体、父は何がしたいのだろう。
戸惑う私に構う事なく、鍛冶職人の男は仕事を続ける。
なぜここへ連れてこられたのかも分からずに、私はただ男の後ろ姿を眺めていた。
「女性には退屈だろ?」
男は手を休めずにそう尋ねてきた。
私はすかさず「…いえ。」と言葉を濁したが、男は私の方を振り返り、フッと穏やかな表情で微笑んだ。
「君も壁外で巨人と戦っているのか?」
「えぇ、兵士ですから。」
「それは驚きだな。」
「どうしてです?」
「君は…とても兵士には見えない。」
男はそう言いながらフッと笑ったが、私にとってその言葉はどこか心に引っかかるものであった。
女性である事を軽視された。
この時の私は、男の言葉をそんな風に受け止めてしまったのだ。