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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第29章 永久に碧く~運命の人~●


翌朝、調査兵団の馬車に揺られ、私達はウォール・シーナを目指した。



父と2人きりの車内。



とくに会話はない。



調査兵団である私達が鍛冶職人のもとを訪れるという事も変な話なのだが、なぜ父が同行者に私を選んだのか…その方が私には謎だった。





ふと、車窓から流れる街並みを眺める。



動き出した街。



せわしなく人々が行き交う。



その中に、父親らしき男と手をつなぐ少女の
姿を見付けた。





嬉しそうに微笑む少女。



そんな少女を見つめる男の顔もまた穏やかな笑顔だ。





私は何だかその光景がとても眩しく見え、思わず見入ってしまう。



あんな風に父と手をつないだのはいつだっただろうか。



そもそも、父と手をつないで歩いた事があっただろうか。



目の前の父は相変わらず忙しそうに資料へと目を通している。



思い起こせば、父と2人でどこかへ行くという事も、この日が最初で最後だったと思う。





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