• テキストサイズ

【進撃の巨人】 never ending dream R18

第28章 永久に碧く~初陣~


消灯時間が過ぎ、二段ベッドの下段で眠るハンジのイビキが聞こえてこようとも、私は眠る事など出来なかった。



横を見れば、いつもアンが眠っていたベッドがある。





“サラは壁外に行ったら何をしたい?”





出発前夜の会話が、遠い昔の事のように思えた。





私はベッドから起き上がると、物音を立てぬよう手持ちランプを片手に部屋を出た。



とても眠れるような心境ではなかった。



身体は疲れているはずなのに、心は醜く悲鳴を上げ続ける。



こんな夜は刀を持ち、剣舞の稽古に明け暮れていたい。



しかし、肝心の刀は父の部屋の中だ。





行き場を無くした私は、廊下の窓から父の部屋がある幹部棟を見つめた。





その時だった。





ふと、幹部棟の屋上に明かりが見えた。



ユラユラと揺れるわずかな明かり。



それはちょうど手持ちランプほどの小さな明かりだった。





こんな夜中に一体誰だろうと、私はわずかに見える人影に目をこらす。



しかし、私の視力などでは到底見える距離ではない。



もしかすると、眠れない兵士が自分の他にもいるのかもしれない。



私は足音を立てぬよう、静かに幹部棟の屋上へと向かった。





/ 841ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp