【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
その日の夜、アンの遺体は弔いの炎に包まれ、高い高い空へと昇っていった。
仲間を救えなかった後悔と深い哀しみ。
絶望に満ちた感情は巨人への怒りへと変わっていく。
目に涙を浮かべ、震えている者。
ひどく憔悴しきっている者。
泣き崩れ、立ち上がる事さえ出来ない者。
幼い頃から幾度となく見てきた光景。
その本当の意味を、私は初めて理解出来たような気がした。
燃え盛る炎を見つめる父の表情は、やはり仮面を被ったような無表情だった。
父の命により、これまで一体何人の兵士が命を落としたのだろう。
赤く照らされた父の顔は、非情で冷酷なものに見えた。
しかし…
父の命により、生き永らえる事の出来た兵士もいただろう。
“確実に生き残れるであろう兵士の命を優先した”
私は何とか心に折り合いをつけようと、涙で滲む炎をただ真っ直ぐと見つめた。