【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
アンは時々嘘をついた。
そのどれもが取るに足らない冗談めいた嘘で、まるで絵本の中に出てくる話のようなアンの嘘に、私達は笑い合った。
“雨上がりに虹が出来るのは、虹を作る職人がいるからだ。”
“秋になると山が色づくのは、画家が絵の具を試し塗りしているからだ。”
そんなアンの嘘が私は大好きで、「そうなんだ。」と、いつも子供のように瞳を輝かせていた。
“嘘じゃないよ。本当だよ。”
そう、いたずらに笑うアンが私は大好きだった。
それなのに…
“アン、絶対に死なないで。”
“…うん、サラもね。”
初陣の朝、互いに小指を絡め合わせながら誓った約束。
そんな私との約束が、アンを“本当の嘘つき”に変えてしまった。