【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
しかし、ミケは「お前の気持ちは理解出来るが、団長は決して間違ってなどいない。」と言った。
「お前はもしあの時、アンのもとへ向かっていたならば、誰も死なずにすんだと思うのか?」
「それは…。」
「もしあの時、俺達が援護に向かっていれば、二次被害は避けられなかった。
もしアンを救う事が出来たとしても、代わりに誰かが命を落としたはずだ。
それは、お前だったかもしれないし、俺やハンジだったかもしれない。
団長は…確実に生き残れるであろう兵士の命を優先したんだ。」
ミケの言葉はいつも的確だ。
私は言葉を詰まらせ、顔を伏せてただ泣くばかりだった。
“確実に生き残れるであろう兵士の命を優先した”
ミケの言う通りだった。
それなのに…どうしてだろう。
頭では理解できていても…
心が…
心が追い付かないんだ。
柔らかな風に花が揺れ、辺りには鳥の鳴き声が響く。
花壇の縁に腰掛け、ただ泣き続ける私の側を、ミケが離れる事はなかった。