【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
父と入れ替わるように現れたのはミケだった。
涙を拭う事も出来ず、ただ声を押し殺して泣き続きる私の隣に、ミケは座った。
風が吹き、花壇の花が優しく揺れる。
その瞬間、ミケは私の肩をそっと抱いてくれた。
「…ミケ、やめてよ。」
誰かに優しくされたかったわけじゃない。
私はミケの腕を振り解く。
「すまない…。」とつぶやいたミケは、そのまま私の隣に座ったまま、側を離れる事はなかった。
「…命の重さは…皆、平等なはずだ…。」
そう切り出した私に、ミケは「あぁ。」と応える。
「父は…団長は、“調査兵団の命には優先順位がある”と言ったんだ…。
私はどうしても…納得が出来ない。
アンの命は…軽くなんてない。
生き残った兵士達と、置き去りにした兵士達…。
その命の重さは…平等だったはずでしょ…?」
声を詰まらせながら問い掛けた私に、ミケは少し考えた様子を見せた。
訓練兵時代、親友であるロイを失ったミケ。
きっとミケならば、私の辛い胸の内を理解してくれるだろうと…そう思った。