【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
ふと、渡り廊下を歩く足音が聞こえた。
調査兵団本部と兵員宿舎をつなぐ渡り廊下。
その足音は廊下の途中で止まり、私が座る花壇へと徐々に近付いてきた。
きっと、ミケに違いない。
調査兵団本部へと帰還するやいなや、行方をくらませた私を探していたのだろう。
私は涙を拭い、目の前で立ち止まった足音にそっと視線を向けた。
しかし、そこに立っていたのはミケではなかった。
まるで仮面を被ったような無表情の父。
感情を出さず、ただ私の顔をじっと見下ろしている父の姿。
私は驚き、父の視線から逃れるようにそっとうつむく。
そんな私へ、父はいつものように低く抑揚の無い声でこう告げた。
「お前が考えているほど、調査兵団は甘くはない。
調査兵団の命には優先順位がある。
それはすなわち、切り捨てなければならない命があるという事だ。
もし、お前がそれを理解する事が出来ないのならば…ここにお前の居場所は無い。
今すぐ出ていきなさい。」