【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
4日後、私達はウォール・ローゼにある調査兵団本部へと帰還した。
…大勢の犠牲者の遺体とともに。
回収する事の出来たアンの遺体には目立った外傷はほとんど無く、まるで眠っているかのようなその顔は、今にも起き出すのではないかと思うほどだった。
いつも、あどけなさの残る笑顔を見せてくれたアン。
その笑顔に…私はもう触れる事は出来ない。
馬の世話を終えた私は、中庭の花壇にいた。
クレアが大切に育てていた花が咲き誇る花壇。
私が訓練兵団にいた3年間は、弟が大切に育てていてくれた。
花の手入れは得意ではなかったが、2人が大切にしていた花を枯らすまいと、私は毎日世話を続けていた。
“花には妖精がいるんだよ。”
そう、いたずらに笑うアンは、いつも花の手入れを手伝ってくれていた。
柔らかな風に花が揺れ、辺りには鳥の鳴き声が響く。
花壇の縁に腰掛け、そっと瞳を閉じると、まるでアンが側にいるような…そんな気がして涙が込み上げた。