【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
「団長!!」
そう駆け寄る私の顔を、父が見る事は無かった。
「…5分後にはここを発つ。
壁外調査を続ける。」
そう言い残し、父は建物の下へと降りていった。
なぜ、父は仲間を見捨てる事が出来るのだろうか。
どうして、救う事が出来るかもしれない命を切り捨てられるのだろうか。
いくら考えても…あの頃の私には、答えを出す事など出来なかった。
私は建物の屋上から飛び降りると、マントのフードを深く被り、馬へと股がった。
私1人でも、助けに行く。
私は…絶対に仲間を切り捨てたりなどしない。
アンを…死なせたりはしない。
そう思い、馬を走らせようとした…その時だった。
「お前は何してるんだっ!!」
突然腕を引っ張られ、バランスを崩した私は馬の背から転げ落ちた。
硬い地面へと叩き付けられ、痺れるような痛みが身体を襲う。
ゆっくりと起き上がった私の頬に、再び激痛が走った。
それはまるで訓練兵時代、キースに突然殴られた時と同じような頬の痛み。
顔を上げると、そこには1人の男性兵士が立っていた。