【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
「団長!!
五列ニの兵士がまだ到着しておりません!!
援護に向かいましょう!!」
そう詰め寄る私を無視するかのように、父は陣形図をジャケットの内ポケットへしまうと、そのまま補給所の外へと出て行ってしまった。
援護に兵を向かわせる様子もなく、父は見張りの兵士がいる建物の屋上へと登っていく。
「…団長!!」
困惑する私の肩を、1人の分隊長がそっと叩いた。
「援護には向かわない。
時間が無いんだ。先を急ぐぞ。」
呆然と立ち尽くす私の横を、分隊長達は通り過ぎていく。
“援護には向かわない。”
すなわちそれは、仲間を置き去りにするという事。
アンを…置き去りにするという事。
私は補給所から飛び出し、再び父の元へと向かった。
どうしても納得がいかなかった。
今こうしている間にも、アンは巨人と戦い、私達の助けを待っているかもしれない。
父の考案した長距離索敵陣形は、今まで大勢の仲間の命を救ってきた。
そんな父が、仲間を見捨てるはずなどない。
そう…思ったのだ。