【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
「…アン。」
ふと、アンの姿が無い事に気付き、私は補給所の中を見渡す。
疲弊しきった様子で床に座り込む兵士達の間を通り抜け、私はアンを探した。
いつも、あどけなさの残る笑顔を見せてくれたアン。
早く見付けて抱き締めてあげたい。
アンもきっと仲間の死を目の当たりにし、深く傷付いているはずだと、私は狭い補給所の中、アンを探し歩いた。
しかし、アンの姿はどこにもなかった。
それどころか、アンが配置されていたはずの五列ニの兵士が1人も見当たらない。
左翼側後方…私達のかなり後ろに配置されていたアン。
もしかすると、まだ補給所へたどり着いていないのかもしれないと、私は補給所の入り口へと視線を移した。
その瞬間、補給所の入り口に立つ父と目が合った。
手元には陣形図を持ち、各分隊長へと指示を出している様子だった。
そんな父のもとへ私は駆け寄る。
アンが…仲間がまだ到着していないと伝えなければ。
父ならきっと、仲間を助けるために引き返すだろう。
そんな事を思っていた。