【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
第1補給所へ着いた私とミケのもとへ、先に到着していたであろうハンジが駆け寄ってきた。
口元に笑みを浮かべ、まるでいたずらを企む子供のような表情。
しかし、その顔は青ざめ、酷く憔悴しきっているようにも見えた。
ハンジもまた、仲間の死を目の当たりにしたのだろう。
私の身体をきつくきつく抱き締めながら、ハンジは笑うようにポツリとこうつぶやいた。
「…壁外って、怖いんだな…。」
「…うん。」と、一言だけ応えると、私はハンジの身体をそっと抱き締める。
いつも気丈なハンジの肩が震えていた。
補給所の中では、負傷した兵士が傷の手当てを受けていた。
シガンシナ区を出発してからは5時間ほどしか経っていない。
その間に、一体何人の命が奪われたのだろう。
出発した時とは明らかに兵士の数が減っている。
父の考案した陣形をもってしても、救う事の出来ぬ命があるのだと、私は改めて壁外の恐ろしさを思い知った。