【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
「サラ!!」
私の身体を握りつぶそうと伸ばされた巨人の腕は、ミケの刃により再びその動きを止めた。
その切り口からは血しぶきが上がり、むせかえるような血の臭いが鼻をつく。
まるで篠突く雨のように降り注ぐ巨人の血液が、私の左目を直撃した。
「っ!!」
視界を奪われた私は身体を一気に降下させ、巨人のうなじがあるであろう場所に狙いを定める。
もし、うなじから外れてしまったら…
そんな事を考える余裕などない。
ただ…この一撃に全てを賭ける。
縦1m、横10cm。
ミケが巨人の動きを封じてくれているならば、私の真下に“その場所”はある。
「…動かないでよ。見えないんだから。」
痺れるほどの衝撃に、両手の刃が折れた。
肉を切り裂き、骨へと当たる感触。
飛び散る肉片と血液の中、生温かい蒸気が私の頬に当たった。
ゆっくりと崩れ落ちていく巨人の身体。
「サラ!!無事か!?」
ミケの呼び掛けに、私の両手からは折れた剣がするりと落ちる。
巨人のうなじから動けずにいた私を抱きかかえ、ミケは地上へと降ろしてくれた。