【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
黒い煙弾が撃たれたという事は、それが奇行種である事を意味していた。
大勢の兵士がいる陣形の中央には目もくれず、左翼側にいる私達数名の兵士を追いかけてくる事からも、通常種とは全く異なる性質を持った巨人である事は明らかだった。
遂に訪れてしまった巨人との戦い。
恐怖からか、身体は再び震え始める。
しかし、なぜか頭は冷静だった。
母を…クレアを失った悲しみ、私の心に植え付けられたたったひとつの使命。
その全てが巨人への怒りとなり、私の心を奮い立たせた。
「新兵!!後ろに回れ!!」
班長の命令のもと、私とミケは速度を落とし、巨人の後ろへと回る。
15m級の醜い巨人。
足元の私達には目もくれず、大きく手をバタつかせながら先頭を走る班長を追いかけ続けていた。
他の班員2人が左右に回り込む。
何度も壁外で巨人と戦ってきた熟練の兵士達。
巨人の動きを封じるため、両脚にアンカーを打ち込み、足の腱を素早く削ぎ落とした。
耳をつんざくほどの悲鳴を上げながら、巨人は膝から崩れ落ちていく。
「殺してやる!!」
班長は苦しみ悶える巨人の身体へとアンカーを差し込み、うなじへと狙いを定めた。