【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
父が撃ち放つ緑色の煙弾により、私達は少しずつ進路を変えながら、目的地である第1補給所を目指した。
陣形のどこかで赤色の煙弾が昇るたび、巨人への恐怖からか、冷たい汗が背中を流れ落ちる。
それでも、初列索敵班である私達が剣を抜く事はなかった。
通常種であれば逃げ切れる。
やはり父の考案した長距離索敵陣形をもってすれば、巨人からこの世界を取り戻す事も不可能ではないのだと、私は熱い希望に胸を高鳴らせ、いつの間にか身体の震えはおさまっていた。
しかし…次の瞬間、左翼後列から黒の煙弾が空高く上がった。
真っ青な空に突如昇った黒煙に、陣形は一瞬にしてどよめきはじめる。
「剣を抜け!!」
班長の叫び声に驚き、私は一瞬何がおこったのか理解する事が出来なかった。
「サラ!!早く剣を抜け!!
戦うぞ!!」
ミケの声にようやく我にかえった私は、慌てて剣を抜き、後ろを振り返る。
ズシンズシンと地鳴りのような足音とともに、1体の巨人がこちらへと迫っていた。