【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
「左より巨人接近!!信煙弾を打て!!」
まるで私達を待ち伏せていたかのように、巨人はすぐに姿を現した。
班長の命令に従い、私は赤色の信煙弾を空に向かって撃ち放つ。
その煙は徐々に次列中央にいる父のもとへとつながり、緑色の煙弾が右前方に向けて発射された。
左からは1体の巨人がこちらへ向かって来ていた。
初めて目にする本物の巨人。
だらしなく口を開き、大きな身体をゆすりながら歩いている。
浅黒い皮膚、焦点の定まらない目。
人間の形をしているが、決して人間ではない恐ろしいその姿。
「無駄な戦闘はするな!!このまま逃げ切るぞ!!」
そう叫ぶ班長の後を追いながら、私は遠のいていく巨人の姿をじっと見つめていた。
「大丈夫か?」
後ろを走るミケの声が聞こえた。
「私は大丈夫。君こそ大丈夫?」
そう笑顔で答えるも、手綱を持つ私の手は恐怖で震えていた。