【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
死を覚悟してもなお、サラへの想いがミケの心を奮い立たせる。
次々と消えては蘇るサラとの日々。
“絶対に勝つ方法…それは、
勝つまで戦い続ける事だよ。”
「……あぁ、俺も…そう思うよ……。」
ミケは地面に転がる剣へと手を伸ばす。
身体を起こす事は出来ないが、かろうじて剣に指先が届いた。
死にたくない…生きていたいと思うのは、人類の勝利のためなのだろうか。
それとも愛する女への執着なのだろうか…。
どちらであろうとも関係ない。
ただ、今はサラに触れたい。
生きてもう一度、サラに会いたい。
強く握り締めた剣の刃は欠けていた。
しかし、それでもミケは立ち上がろと必死でもがき続ける。
…人は戦う事をやめた時、初めて敗北する。
戦い続ける限り、まだ負けてはいない。
震える腕の力で、なんとか上体を起こす。
身体はとうに限界を超えていた。
脚の下には水溜まりのように血液が溢れ出している。
ひんやりと冷たい身体は、死への前触れなのだろう…。
視線の先には獣姿の巨人がいた。
2体の無知性の巨人を制止しながら、奪った立体機動装置を不思議そうに眺めている。
「面白イ事考エルナァ。」と、つぶやく巨人へと、ミケは刃の掛けてしまった剣を真っ直ぐと向けた。
「アッ…モウ食ベテモイイヨ。」
獣姿の巨人は立体機動装置を持ったまま立ち上がると、2体の無知性の巨人へそう告げた。