【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
「人は戦う事をやめた時、初めて敗北する。
戦い続ける限り、まだ負けてはいない。」
「それってさ…」
「あぁ、あいつの“受け売り”だ。」
「…本当に、ミケはサラの事ばかり考えてるんだね。」
ため息をつき、ナナバは呆れたように笑った。
まるで自分に言い聞かせるかのように発したミケの言葉は、以前サラが言っていた言葉によく似ていた。
“1つだけ…絶対に勝てる方法があるよ。”
あれは訓練兵団に入団して間もない頃。
食堂でチェスをするミケとロイのもとに、サラとハンジがやって来た日の事だった。
一度もミケに勝つ事が出来ず悔しがるロイは、隣でパンを頬張るサラに、“どうやったらミケに勝てると思う?”と尋ねた。
少し考えた様子を見せたサラは、次の瞬間、自信たっぷりの表情でこう言った。
“絶対に勝つ方法…それは、
勝つまで戦い続ける事だよ。”
サラの言葉に、ロイとハンジは腹を抱えて笑っていたが、ミケだけは違った。
“勝つまで戦い続ける事”
それはすなわち、戦い続ける限りは負けた事にならない。
こんな時でさえも、思い出すのはいつもサラの事だと、ミケは自分の女々しさにため息が出た。
しかし、瞳を閉じればあの日のサラの姿が蘇る。
まぶたの裏に浮かぶ、少女のサラ。
恥ずかしそうに微笑むその顔に、ミケは心臓の高鳴りを感じた。
「さぁ、戦うぞ。」
「えぇ。
新兵達に情けない所は見せられない。」
ミケとナナバは屋上から飛び降り、馬へと跨がる。
不安気な表情を浮かべる新兵達へと、ミケは自らを鼓舞するかのように叫んだ。
「巨人の群れが建物に到達したと同時に離散する!!
人類の勝利のため、戦い続けるんだ!!」