【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
「もう“良い子”でいるのは嫌なんだよ。
俺は…俺の意志で訓練兵団に入団すると決めたんだ。
好き勝手生きてきた姉さんに、俺を止める権利はないはずだ。」
いつまでも子供だと思っていた弟。
そんな弟は…自らの意志で生きる道を選んだ。
ただ…それだけの事。
しかし、どうしてだろうか。
弟の選択を、弟の選んだ道を…私はどうしても許す気になどなれなかった。
「明日にはここを発つ。
花の手入れ…頼んだよ。
枯らしたら、きっとクレアが悲しむ。」
弟はそう言うと、ブリキ製の水差しを私の足元に置き、兵舎へと戻っていった。
1人になった私は、秋の風になびく花壇の花を見つめる。
弟の手入れが行き届いていたのだろう。
そこには、クレアがいた頃よりもたくさんの花が咲いているように感じた。
弟はこの3年間、一体どんな想いを抱え、生きてきたのだろうか…。
母親代わりのクレアが死に、姉である私がいなくなったこの調査兵団本部で、弟はどんな想いを胸に…生きてきたのだろうか。
きっと…
自分に対する劣等感に苦しみ、“強くなりたい”と、強く強く願ったのだろう。
それはまるで…3年前の私と同じように。