【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
「本当に…姉さんは勝手だな。」
「…え?」
呆れたように笑うトージの姿に、私は首を傾げる。
“姉さんは勝手だな。”
どうしてそんな事を言われなければならないのか。
勝手なのはトージの方じゃないかと、私は思う。
しかし、トージは少し寂し気な表情を浮かべると、握り締めていた私の手を振りほどき、今まで知る事のなかった苦しい胸の内を明かした。
「姉さんはさ…俺の気持ちを考えた事があるの?」
「…どういう意味?」
「姉さんはいつも自由で、学校にも行かずにみんなを困らせてた。」
「それは…。」
「そんな姉さんにみんなは夢中で、俺は良い子にして笑っていないと…誰も俺を見てくれなかった。」
「そんな事ない!!」
「いや、姉さんは気付いていなかっただけだよ。
父さんもクレアも…俺が側にいたって、いつも姉さんを見ていた。
それなのに、姉さんはシャーディス団長にべったりでさ。
俺は…姉さんがうらやましかったんだ。
3年前、姉さんが訓練兵団に入団するって聞いた時は本当に腹が立ったよ。
そうやってまた、みんなの心をかき乱して勝手にいなくなってしまうんだから。
しかも、訓練兵団を首席で卒業しちゃうなんてさ。
やっぱり…俺は姉さんがうらやましいんだと思う。」