【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
「訓練兵団に入団するんだ。」
「どうして!?
どうしてトージが兵士になるの!?」
何かの冗談であってほしいと、私は思った。
しかし、真剣な眼差しで私を見つめる弟の姿に、それが冗談などではないという事はあきらかだった。
絶望と怒り。
3年前、訓練兵団に入団すると言った私をきつく抱き締めながら、「…お前は、大人になんかなるな。」と言ったキースの気持ちが、今になって痛いほど理解出来た。
「トージ…。
今からでも遅くないよ。
ほら、トージは学校が好きだったじゃない?
もっと勉強したら、きっとトージはお祖父さんのような教師になれるよ。
父さんには私からもお願いしてあげるから。」
弟の手を強く握り締め、私はこんこんと言い聞かせる。
辛く厳しい訓練兵団の事。
兵士になるという事の意味。
本来ならば、訓練兵団を卒業しただけの新米調査兵である私に、兵士のなんたるかを説く資格など無いのだろう。
しかし、弟が兵士の道に進もうとしている事を黙って見過ごすわけにはいかなかった。
弟の命は、私が守らなければ。
やはり、そこには姉としてだけではなく、母親にも似た感情が含まれていたのだと思う。